対談シリーズ

No.1 & Only one

安形:
藤崎さんがお考えになる、この東京ステーションホテル様のNo.1で、Only Oneというのは、どういうものを目指していこうとしておられますか?
藤崎:
日本で唯一、重要文化財の中にあるホテルであるということは一番内外に知られているかと思いますが、Only Oneであることが、やはり最終的にはコモディティからの脱却ということに直結すると思っております。いわゆるUSP(Unique Selling Proposition 独自性のあるセールスポイント)という私たちらしさを追求し続けることだけが、顧客から支持をされ続けると思っております。

新聞、雑誌、いろいろな情報が入ってきますけれども、同業界はあまりチェックしないでかまわない、と社内で言ってます。異業種、他業種からヒントを得て、それを自分たちに取り込むこと。実は去年掲げたのですが、スピードを上げるためにはインプットから当事者意識を持ったスループットを経て、そして最終的にアウトプットに持っていかないと、スピード上がらない、と。
それを1年間取り組みインプットは広く外に求めよ、他業種に求めよ、そしてグローバルを意識しろ、“Think Globally, Act Locally”ということをいつも言っています。ホテルビジネスはそもそもグローバルビジネスで24時間365日世界とつながってるので、もっと広い視野を意識するようにと。それに自分たちのホテルに対する愛情が加われば、本当にOnly Oneが作られていくのではないかと思っています。
製造業に比べると、1つのホテルでシェアNo.1というのはなかなか難しい。そこでベンチマークになる、一番私たちが大切にしているのは何かというと、あくまでも顧客評価です。トラベルの世界では、実際に旅行予定されている方の9割は事前にクチコミをチェックされている。そのクチコミの評価が1ポイント上がるごとに平均販売単価が21%上がるという、コーネル大学のデータがあります。そういったような今の情報をいつでもどこでも入手でき、また即時に予約できるという流れの中にあって、クチコミ評価で客観的にお客様が、それは高い、高級、素敵、ということだけではなくて、コストパフォーマンスも含めて満足度を書いていますから、そこでどれだけ評価されるかが、私たちの重要なKPIにしています。
世界最大の旅行のクチコミサイトで「トリップアドバイザー」がございまして、東京で約700件の施設が登録されているのですが、ここで何位になれるか。そして、激戦区といわれる千代田区で何位になれるか、というのもひとつの大きなKPIです。
昨年の暮れですが、瞬間値でしたが千代田区でNo.1になりました。当初はそこまでいけると思っていませんでしたが、東京都内でもベスト10には常にランキングされています。それを維持、上昇させることを目指しています。

ただ、Only Oneに関しましては、先ほど申し上げましたように、いかに私たちらしくあるか、真似ではなくて自分たちらしくあることに全力を尽くすことに尽きるかと。そのためには、私たちの持てるリソース、コンテンツをそこに優先順位を決めて投入し続けなくてはいけない、ということになるかと思います。
安形:
世界シェアが25%あるNo.1のステアリングシステムメーカーになりましたが、それ以外にも実はですね、たくさんのNo.1、Only One商品があるのです。
藤崎:
お持ちになっていらっしゃるのですね。
安形:
業種が色々ございまして、工作機械、ベアリング、自動車部品とございまして、それからグループ会社もありまして、いろんな商品があります。これらの中にNo.1、Only Oneがたくさんあるわけです、きら星のように。それをみんな自覚してるかなぁ、というのもあって、これもう少しみんな自覚しようよと。もうひとつは、それを増やすことをしないと、結局コモディティになってしまいます。
藤崎:
なるほど。
安形:
コモディティになってしまうとみじめですし、面白くありません。でも、このことにみんながあまりに自覚が足りないんじゃないかなと思っていまして、1年近くかけて世界中を仲間と議論しながら作ってもらったのがJTEKT GROUP VISION「No.1&Only One」なのです。