対談シリーズ

お客様視点とは

藤崎:
ホテルというと、ダイレクトにそのマーケットであったり、お客様と向き合うBtoCビジネスのある意味で代表かと思うのですが、御社の場合ですと、BtoBの世界で商品を提供されている。そこにおいての顧客視点、こちらの「JTEKT WAY」のひとつの柱になっていますが、その顧客視点というのは、どういうことを意味するのでしょうか?
安形:
見積依頼はもらってくるんじゃないと。そうではなくて、お客様の開発段階のところに一緒に入れてもらう。
藤崎:
お客様の開発段階からですか。
安形:
お客様と一緒に開発することによって、専門メーカーとしてのバリューを活かせるのではないか。加工する部品のことをワークと言いますけど、部品そのものをもっと理解しようと。 時として、この部品の設計自体がちょっと改善の余地がありますね。
機能でいえば、この形状で十分なはずですが、ただこうすると機械のスペック変わってきますよね。こういう加工をこういうふうにするとこうなりますね、というようなところまで本来理解して取り組むと、お客様は本当にバリューを、モノだけではなくて、そのコトも含めたバリューを理解してくださる。もっとお客様に寄り添って、お客様がどうやったら順調に良い物を作り続けられるか、というところにもっとエネルギーを注ごうと言っています。
藤崎:
なるほど。ホテルの場合も、モノの部分はハードウェアが非常に大きいのですが、そこの部分に関しましては、資本投下を行って顧客満足度がマックスになって、そこから経年劣化とともに顧客満足度が下がってくる。ある意味ではその繰り返しであって、ある一定線から顧客満足度が大幅に超えるということはなかなか難しい。
ハードのリペア・メンテナンスはきちんとやらなくてはいけないと思いますが、それ以上にやはり顧客満足度を上げ、支持をいただき続けなければいけない。そのためにはやはり無形の資産を増やすしかない。そこは社長がおっしゃった、トータルでのモノの考え方です。とかくホテルというと、設えがフューチャーされがちで、高級なホテルを作ればいい、高いものを買えば満足度は上がるでしょう、というふうに思いがちですが、実はそうではなくて、中長期的に考えたときは、どこで資産を増やしていくかというと、お客様からの信頼であるとか、満足感であることに尽きると思います。

何をお客様が望んでいるのか、ひょっとしたらわからないかもしれない。どうしてこのホテルを選んだのか、ご本人でもよくわからない場合ってよくあると思うのです。お客様のの深層心理は、まさに社長が今おっしゃったところまで、私たちはリーチできないと、先々の資産を増やしていくことはできないのではないかと常日頃から思っています。