対談シリーズ

グローバリゼーションについて

安形:
同じグローバルといっても、ちょっと角度が違うような気もするのですが、さはさりながら共通の事項もあると思うのです。今は大体どんなことを、これからさらにグローバリゼ―ションについてどんなことをしていかれるのでしょう?
藤崎:
ひとつは、例えばビジネスに直結するという意味では、私たちの世界ではディストリビューションと呼んでおりますが、宿泊予約を受け付けるシステムは世界中に網羅されております。 航空会社も然りだと思いますが、そういった最新のテクノロジー、ネットワーク、というのはやはり海外、特に北米を中心とするところが非常に進んでおりまして、そういったシステムとシームレスなインターフェースであったり、サブシステムのオプティマイゼーションであったりといったものを戦略的に考えることができないとなりません。予約が24時間365日発生するわけですから。
安形:
入口がね。
藤崎:
入口がきちんと流れなくては予約が入らない。そこをきちんとツールとして理解して用意する、ということがビジネス直結の部分では大切かと思います。
あとは観光庁が旗を振りまして、国策として観光立国に向かっていますので、完全にフォローの風だとは思います。インバウンドツーリストの目標が前倒しとなり、オリンピック、パラリンピックが開催される2020年までには、昨年度1970万人の倍以上の4000万人という、非常に高い目標を掲げるところまできたのですが、そのほとんどはアジア圏からのインバウンドに頼っています。
安形:
今のところ、そういった状況ですね。
藤崎:
当然、アジアはエマージングマーケットですので、それはそれで非常に素晴らしいことだと思うのですが、御社はまさにグローバルでマネジメントされているので、よくおわかりだと思いますが、地政学的なリスクヘッジというものを当然考えないと、非常に危ないと思います。
安形:
そうですね。
藤崎:
ブームや円安のみに頼るところではなく、東京や日本に来るための努力をしていたのか、またそれを呼び込む施策をということを考えると、海外とは言ってますが、ほとんどがアジアで成り立っているという現状です。
地政学的なリスクヘッジとフィーダーマーケットというものを私たちの業界も考えないと、特にポスト・オリンピックは厳しいことになる。逆にその辺は、グローバル・マネジメントというんでしょうか。お伺いしたいところなのですが。
安形:
私どもは、かなりの部分は自動車産業に付いていますので、世界中ほとんどのOEMに対してアカウントを持たせていただいていて、ある程度のバランスは取れていると思います。個別に見ると、この地域では強い、当然日系企業には強いと。海外系ではここは、とかありますので、今はそこを見ていて。
それからベアリングでいけば、どちらかというと自動車に振りすぎていて一般産業用が弱かったので、これを少しポートフォリオをならす方向にビジネス・ポートフォリオを組み替えていまして。
要はですね、こう言っているのです。「目指せ、多国籍雑貨屋」と。
藤崎:
なるほど。
安形:
自動車部品事業もこの4月から実は2つに分けまして、ステアリングはあまりに大きくて、それ以外の自動車部品が隠れてしまっているのです。これも野心がありまして、これを強化しようと計画しています。そうすることによって経営としては非常にロバストになるだろうと考えています。
藤崎:
確かに事業ドメインがいくつかあると、どうしても得意領域に集中しがちですが、地域的マーケットバランスという点では、やはり全体最適、そこは将来に備えたもの、オプティマイゼーション、最適化を常に見ることが大切なのかなと。
安形:
どのポートフォリオが一番良いのか、というのをデザインし続けるのはトップの使命でしょうね。
藤崎:
そうですね。
安形:
いくつか示唆に富むお話を聞かせていただきまして、大変ありがとうございました。これをぜひ社内でシェアさせていただいて、また我々は我々で、「JTEKT WAY」の浸透を図っていきたいと思います。
今日は本当にありがとうございました。
藤崎:
とんでもないことでございます。私も大変参考になりましたし、逆に私たちも社内でこの対談を研修に使わせていただきたいと思います。
今日は本当にありがとうございました。