対談シリーズ

この10年を振り返って

新美:
今日は假屋崎さん、どうもありがとうございます。
假屋崎:
こちらこそ初めてお目にかからせていただきまして、ありがとうございます。
新美:
ちょうど2006年に、光洋精工というベアリングを作っている会社。
ベアリングは、非常に工業的な”産業の米”と言われるんですけどね。
それから豊田工機という、これは工作機械を作っている会社。工作機械というのは、機械を作る機械ですね。
この2つの会社が合併してジェイテクトができて、今年でちょうど10年経ちました。
假屋崎:
それぞれの会社で手がけている2つのものを1つのものにつなげてということで、10年が非常に長いような短いような、そんな気もいたしますけれども。
私は実は2006年にあるテレビ局が海外の仕事ということで、モネの庭を旅するという番組の企画で、ジベルニーというフランスの村になんですけど、そこで1週間ほど寝泊まりをして、ジベルニーのモネの庭の庭師さんたちと一緒に生活をししました。自分がこれからまたさらに10年どんなふうに生きていったらいいかなとか、作風のことだとか見つめ直すっていうような、そういう番組を2006年にさせていただいたんですよ。
新美:
そうですか。
假屋崎:
この10年は自分でもあっという間の10年だったもんですから、あまり後ろを私は振り返るっていうことがないんですよ。常に前へ前への人で、現在って未来あるものと思っているもんですから。なぜかっていうと、歴史っていうのは自分でやってきたことはもう変えられないわけでしょ。だったらそんなの見ているよりも、現在と未来とあるものと思ってやってる。そういうプラス思考のあまりにも塊過ぎちゃうような人なんですけども。
新美:
僕らはそれを合併によってお互いに新しいものを求めようじゃないかと、いうことでやってきたんですけどね。違う社風もお互いにありますから、例えば光洋精工は世界に古くから出ていて、すごく外へ向けて力があるとかね。

豊田工機はそれよりもトヨタ自動車に対して非常に、トヨタ自動車から出た会社ですから(関連が)深いので、そこのビジネスがどんどん膨らむとかね。
ただ光洋精工は他お客さんとも仕事をしていますから、いろんな会社さんと仕事ができるようになって、グローバルに広がっていって、この10年で本当に強くなったと思うんですね。
假屋崎:
グローバルということですね。私もやっぱり日本のこの伝統文化というものを海外に広めましょう、という意味合いもあって、それで毎年大体10ヵ国ぐらいには参りますんですよ。
その土地ごとにデモンストレーションをしたり、個展をしたり、ワークショップをしたりということで、だんだんと大勢の方に認められつつあるという、そういう状況がこの10年でかなり発展したってところもありますし。

いけばなだけでなくて、私は元々デザインをするっていうことがすごく好きだったもんですから、着物のデザインだとか、ガラスのデザインだとか、それから店舗のデザインだとか、こういうディスプレイはもちろんですけど、そういうデザインをするっていうことが非常に深まってきたというのもこの10年の業績っていうんでしょうかね、そういうものもとてもあります。

私はいつも「花から始まるライフスタイル」「花は心のビタミン」っていうのがモットーなんですよ。そうすると世界中にお花はありますでしょ。その民族、民族が花と接してずっと脈々と生活をしてきたわけですけど、そういう歴史というものを踏まえた上での生活っていうものが成り立ってますでしょ。それが現代はどんどん変化するわけですよ。
そんな中で花をもって、もっといきいきと楽しく元気にっていうのができればいいな、と思ってやらせていただいていますけどね。
新美:
花が最終的な目的っていうよりも、これを使って人間を活性化しようとか。
世の中元気にしようとか。
假屋崎:
そうですね、同じですよね。そちらの会社も同じじゃないですか。
新美:
それは産業と一緒ですよね。我々は産業を通じて国に奉仕しようと。国っていうのは、仕事(事業展開)をする世界中の国っていう意味ですけど。それの発展にお役に立っていこうというのが、そもそも仕事っていいますか、目的だと思っていますから。
その結果として、例えば直接うちで仕事をしている人、我々の製品を使っていただく人、そのサービスをまた受けられる人が、少しでも豊かになっていけば良いということだと思いますから。生業は違いますけど狙いが一緒なんですね。
假屋崎:
そうかもしれないですね。